10.棚卸しをする

「棚卸し」とは決まった日に在庫を確認することですが、
ここでは「取り組み」の進捗を確認する意味で使います。

工程表を活用すれば日々進捗を確認することが可能ですが、
決まった日に(週1回と月1回)、問題を発見・解決する機会を持ちます。

「ここが上手くいってない」→「明日からまた頑張ろう」
これでは問題解決になっていないわけです。

なぜ上手くいってないのか、なぜ予定より遅れているのか、
なぜ行動に移せてないのか、なぜつまづいているのか、
問題を顕在化して、なぜ?を突き詰めていきます。

どうしても心理的な抵抗感があってできないことなのか。
時間が割けなくて取り組めていないことなのか。
その原因を突き止めて、ではどうするか、解決策を打つ。
それが棚卸しをするという意味です。

ここで肝心な態度は3つあります。
1.誰かのせいにはしないこと
2.自分を責めないこと(才能がない・努力が足りない・意思が弱いなど)
3.解決法は必ずあると知ること

僕の事例を紹介しましょう。

とあるフィットネスクラブの改修工事をしている時です。
もう納期も近く突貫で作業を進めているなか大問題が発生しました。

プールの水を温めるボイラーを工事期間中停止していたのですが、
メンテナンス業者を呼びボイラーの再起動作業をしていると、
ある部品の摩耗が著しく、新たに部品を取り寄せないと点火できない。
という事態が発覚しました。

現場は名古屋で部品の在庫は横浜、届くのは来週の月曜になる。
とメンテナンス業者は言うのです。

その日は金曜日、プールを満たした水を全て温めるには24時間必要です。
日曜日にはプレオープン研修があり、プールを使用できる状態にするのが、
施主であるフィットネスクラブ側との約束でした。

ピンチです。

ここで誰かを責めても、自分を責めても、意味はありません。
問題を解決する方法は必ずあるはずだ。
そう必ずある、問題を共有し、皆で知恵を出しあい協力を求めました。

まずは問題点を明確にします。
「その部品がいまここにあれば点火できるのか?」できる。
「その部品は名古屋市内にはないのか?」ない。
「代替品ではダメなのか?」メーカーの純正品でないと保証できない。
横浜のメーカーは土日は休業している。
最短で明日の土曜日に届くことも可能だが。
明日はメンテナンス業者は他現場に行かなくてならない。

夕方の15時ごろでした。
横浜のメーカーに電話して宅配便に出そうとしていた部品を止め、
先輩に頼み込んで、いや正確には無理強いして、新幹線で取りに行かせ、
メンテナンス業者に一度帰宅してもらって、夜20時にもう一度来てもらい、
修理をして作動チェックして21時に無事ボイラー点火。
ことなきを得て、無事日曜日のプール使用に間に合わせたのでした。

これは問題が発生してから対症療法的に解決した事例ですが、
週に1回の施主側との定例会議や、毎日の職長会議にて、
工程表を広げて予定の調整をし、予測しうる問題点を洗い出します。

個人的な目標達成の過程においても、同様に問題点を洗い出します。
自分の頭の中に解決策がない場合は助言や意見を広く求めます。

同じ悩みを乗り越えた人が必ずどこかにいるはずです。
その意味でも達成者のリサーチと目標を公言することには価値があります。

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