14.顔笑って歌を歌う
メイトを公言して憚らない僕の大好きなBABYMETAL。
その母体である「さくら学院」という成長期限定ユニットでは、
「がんばれ」を「顔笑れ」と当て字しています。
歯を食いしばって眉間にシワを寄せるような努力ではなく、
笑顔で元気を全力で届けようという、アイドルユニットらしい標語です。
「仕事唄」とは生産に伴う労働・仕事の際に歌われる唄です。
田植え唄・木挽き唄・酒造り唄などのことです。
日本固有の民謡だけでなく、世界各地にその土地の仕事唄が残っています。
ロボットがない時代、機械化以前は、単調で過酷な肉体労働も多く、
仲間同士で励ましあったり、呼吸やリズムを合わせたりする必要から、
自然発生的に誕生した音楽です。
草津温泉の湯もみの際にも民謡を唄いますね。
スティーブンソン著の「宝島」には、
大航海時代の海賊達が唄う舟漕ぎ唄が引用されています。
だから、笑顔で歌いながら作業しろ、と言いたい訳じゃありません。
どんな取り組みも徒労のように感じる時があります。
「好き」を仕事にできたとしても、ラクができるわけではありません。
むしろ仕事にしたことで、苦しいことの方が多くなることもあります。
ましてや趣味など、苦しかったら、続ける意味すら見失いそうです。
スキルを上げるため、知識を得るため、リサーチするため、筋力つけるため、
時には創造性の乏しい単調な作業を繰り返す事もあるでしょう。
そういった時に思い出してほしいのが、顔笑って歌う姿勢です。
先人達が過酷で単調ながら、必要不可欠な肉体労働を、
声を合わせて歌いながら、収穫に感謝したり、豊作を祈ったり、
調子を合わせ、ラクじゃないことを楽しもうとした。
その姿勢に想いを寄せてみて欲しいのです。
日々使う言葉が人生を作る。口癖が人生を作る。とも言います。
「だめだ、だめだ、俺はだめだ」とうつむいて歩くのと、
「ラッキー、ハッピー、超ラッキー」と胸張って歩くのとでは、
同じ道を歩いていても、違う景色を見、違う世界に生きることとなります。
どちらも選べます。どちらを選びますか?
ポジティブシンキングは、口先だけ「最高!」と言うことでしょうか?
現実が厳しく、辛く感じる時ほど、未来を思い描いて、イマココに集中する。
そして顔を輝かせ、心が弾むように、自ら仕向ける工夫をする必要があります。
そんな先人の知恵が仕事唄に込められています。
テクノロジーが進化しても、人間の本質は数千年前から変わっていません。
おもしろきこともなき世をおもしろく。そう生きようと決めるだけ。選ぶだけ。
棚卸しをして、苦労の割に結果が得られてないと感じた時、気持ちが落ちた時、
もう一度立ち上がるために、「顔笑って歌を歌う姿勢」を身に付けておきましょう。
意思の力じゃないんです。姿勢なのです。
どうしてもネガティブなことを言いたくなったら、
胸張って、両足を広げて、腰に手を当て、あははと笑いながら、
「俺は馬鹿だ!」「俺は駄目だ!」と言ってみてください。
気分は落ちません。言行が一致していないから脳は混乱します。
脳はそんな時、言い間違えたんだな、と解釈して行を正とするので、
姿勢、態度がポジティブなら、そっちに寄せていきます。
死にたいくらいに凹んだら、音楽かけてリズムに合わせて、トランポリンで跳ねる。
決してまっ暗な部屋で一点を見つめて体育座りなんてしないことです。
自分の感情を操作するのも、挑戦し続ける技術(テクニック)です。
感情に振り回されるのは、天候や他人の言葉に振り回されるのと同様に回避する。
自分の人生を自分で舵取りする。
そんな真の力を得るために、心技体を鍛えて、知恵を学び、本物に触れて感性を磨く。
その上で、どんな外的要因からも解き放たれて、自分の感情からも自由になり、
今日はどんな感情を身にまとうのか、自分で選びたいものです。